鳥ウキウキ

過去のものを含めた探鳥の記録と鳥の紹介です。

天空の大自然に!ユキヒョウとの出会い

ユキヒョウ

この記事について

 この記事は既に発表済のものを、移植していることをお断りしておきます(そのBlogは1年後くらいに閉鎖予定のため)。

ユキヒョウについて

ユキヒョウはの生息地は、パキスタンやインド北部、中国、モンゴルなどにまたがっているが、数を減らし絶滅危惧種に指定されている。日本の動物園では、多摩動物園にいるとか。

ユキヒョウを探す旅に出た2018年当時は、BBCNHKがテレビでその映像を流していた時である。BBCはインド・ラダックでNHKがモンゴルでの動画撮影に成功していた。

現在では、私が行った、インド・ラダックとモンゴルでツアーで行くことができる(結果が保証されている訳ではないが)。

始まり

 現在S社でユキヒョウやアフリカのサファリなどのツアーガイドしている秋山さんから誘われたもので、秋山さんとは西パプアやハルマヘラ・スラウェシ島で探鳥をご一緒したことがあった。その時はまだ、ガイドではなく、秋山さんのもう1つのライフワークであるカワセミ撮影を共にしたものであった。その時に機会があればプライベートでユキヒョウ探しに行きませんかと誘われていたのが実現したものです(当時秋山さんは既に静止画撮影に成功していた)。

日 程

2018/2/21日本発→デリー着:泊

2018/2/22 デリー→ダラックの州都レー着:Grand Dragon(Hotel)泊

ストック村からキャンプ地に移動し2/23~3/2までその付近でユキヒョウ探し。

2018/3/2:最後にユキヒョウの情報が入ってきたサスポーチ村に(1泊)

2018/3/3:サスポーチ村→レーのGrand Dragon(泊)に戻りキャンプの疲れを癒す

翌日(2018/3/4)レー発→デリー経由→日本(日本着2018/3/5)

準 備

 インド・ラダック地方は、暑いインドのイメージとは違いヒマラヤ地域、標高も3,500mもある。行った2月末~3月は、厳冬期ではないがー20度Cと気温も低い。

 山登りも行ったことないし、寒いの苦手、更に標高も高い。取り敢えず秋山さん著作の「ネコ科大型肉食獣の教科書」のユキヒョウ編を頼りに装備を整え、寝袋はS社からレンタルした。

更に、トラベルクリニックにも行き、高山病の薬(ダイヤモックス)を処方してもらった。鳥見旅に比べると面倒だけど、良い経験であった。此処で余った、薬がアンデス越え、コロラド高地で役にたった。

現 地 初 日

飛行機から、銀世界のヒマラヤ山脈が見える。こんなとこまで来てしまったんだな〜と感激した。ラダック地方の州都レーの町の空港は既に標高3,500m、空気が薄い。

ガイドの出迎えを受けて、レーの高級ホテルGrand Dragon に。

Grand Dragon

ホテルから風景でヒマラヤにいる事を実感する。いや、それ以上に、高度を感じる。2階の部屋に階段で行ったら息切れした。

 昼食後、高度順応を兼ねてインダス川沿いを歩いて鳥を探しました。


White-headed Daurian Redstart(シロガシラジョウビタキ)やIbisbill(トキハシゲリ)などの鳥を見つけました。アオシギも見つけた。こんな処にもと、日本の鳥の生息域を実感出来るのも海外鳥見のメリットかな。

              Ibisbill(トキハシゲリ)

Solitary Snipe(アオシギ)

 

White-headed Daurian Redstart(シロガシラジョウビタキ

 

また、簡単に目的のIbisbillを見つけたので、秋山さんの知り合いのストック村のホームステイ(日本人女性のエツコさんと旦那さんが営む宿、宿泊のほか山岳、トレッキングガイドのアレンジもしているみたい:以下リンクページ)

neo-ladakh.blogspot.com

に向かい、主人と一緒にイワシャコ(Chukar Partridge)を撮影してきました。明日からは、いよいよ本格的なユキヒョウ探索の始まりです。

イワシャコ(Chukar Partridge)

ユキヒョウのベースキャンプは、ストック村で資材をロバに積み込み、川沿いに更に上流に歩いて2、3時間の場所にあった。

キャンプ地

キャンプ地は、川沿いの開けた場所に設置された。オレンジ色の客「3人」のテント、厨房のテント(青)、ダイニングテント(白)、ガイド達のテントなど有ります。こんな土地でコック付きというのは贅沢かな。

また、ダイニングテントだけは、暖房がついていました。ホット出来る時間が毎日有りました。

 

キャンプ地で

 毎朝キャンプの裏の丘に登って、多分50mくらいの高さなんだけど、これがとても辛い。富士山五合目の探鳥地の帰りの登りのような💦。

 

 毎日、ベースキャンプから凍結した川を上り数キロ歩いて、帰る。時に、途中の丘に登ったりで。ガイド達は、スコープを持ってスイスイ歩く、チョット向こうの尾根まで登ってユキヒョウが居ないか見て来てと言っても簡単に登って降りてくる。いやはや、現地に住んでると言っても大変な体力ですね。

 また、お昼と10時と3時の休憩時間にはベースキャンプから、食事とお菓子&お茶を運んできてくれる。寒い中暖かいお茶。ホット一息つく。お茶が美味い。

 

ユキヒョウ探し

 

キャンプ地についた翌日、上流に歩いたポイントでユキヒョウを探し当てた。しかし谷の反対側で、1km以上の距離がありそう。スコープでみても余りに遠くて何度か確認させていただきやっとわかった程度。自然なのでこんなものだそうです。プロ用の動画撮影カメラならセンサーサイズが小さいので何とかなる距離?いや~それでも無理かもですね。しかし、自然で珍獣をみるということは取り敢えずできた。自然で見る難しさ、その環境を実感した瞬間でした。

これでやっと分かるユキヒョウ

 その日は、ユキヒョウを見られた儀式で、シェフがケーキを焼いてくれた。そうなんすね。やっぱり難しいのだ。

 それから、もっと近くで見られないかと、毎日探すも、難しく,稜線を歩くユキヒョウを遠くに見た日が1日あっただけ。その日の夜、ユキヒョウの鳴き声がした。しかし夜なんでさがせない(´;ω;`)。夜中、ユキヒョウがキャンプ地の傍を通り抜けたようだ。

稜線を行くユキヒョウ

 このシーズンは、雪があまりないシーズンだったのでブルーシープが稜線から谷に降りてこないので、それを狩るユキヒョウも近寄る可能性が低いとのことだった。

 キャンプ最終日にブルーシープの群れが谷を下りて、怯えたように塔のような岩に登って周りを見てる。ユキヒョウがいたのか?ということで、1時間ほど待ったがブルーシープは警戒を解いていってしまった。

 このままで冒険は終わりかなと思ったら、最後に凄くラッキーなことが起こって200mの距離で撮影できた。それは、最後の方の章で書きます。

キャンプ地での鳥

 ユキヒョウ探しに誘われた時に、「イヌワシ」と「ヒゲワシ」は毎日見られるといわれました。なので、ユキヒョウを見られなくとも、猛禽2種撮影できれば良いかと思って参加しました。

 確かにイヌワシとヒゲワシは毎日みられましたが、遠いところばかリ飛んでました。

イヌワシ

イヌワシ

 少し良かったのは。「ヒゲワシ」が骨付き肉を上空から落として骨を割るシーンが見られました。NHKの「ダー○○来た」でやっていたシーン。しかし、そんな上空ではなかったですけど。

 

ヒゲワシの幼鳥と成鳥

ヒゲワシが骨を落とした


 他には凍結した川の途中の崖の中腹の穴にワシミミズクEurasian eagle-owl)がいました。草被りとなっているのが残念です。

 

ワシミミズク

シロガシラジョウビタキ

ベニハシガラス

Daurian Redstart(シロガシラジョウビタキ)とChukar Partridge(イワシャコ)、red-billed chough(ベニハシガラス)も撮影しました。

キャンプ地の動物

ブルーシープ

崖上にいたり、中腹にいたりするんのですが、中腹にいると保護色になって見つけにくいです。やはり自然ですね。既に書いたとおり近くにやって来て塔のような岩に登った場面は撮影できました。

ブルーシープ
アルタイイタチ 

そのブルーシープが行ってしまった後、昼食を食べていると、獲物咥えて至近距離までやってきました。最初は秋山さんがオコジョと言ったのですが、写真集で修正されていました。

アルタイイタチ

サスポーチ村へ

キャンプ地に翌日は別のパーティーがやって来る予定でしたので最後の1泊何処にしようか?と言っていた時、ユキヒョウが出たという情報がもたらされたので、翌朝早く川を下ってそこへ向かいました。

風景写真です。

 

その途中で、サスポーチ村でユキヒョウが仔牛を襲ってまだ、獲物を見張っているとの情報がもたらされました。その途中で、ウリアルの群れが道の脇に出現しました。凄く良い場所に出てくれたのでユキヒョウは気になりましたが撮影しました。

ウリアルの写真

ウリアル

ユキヒョウ発見

 現地に到着し一人最後まで付き添ってくれたガイドに先導してもらい撮影現場に。でも私はどこですか?状態。200m先なのに見つけられない。教えていただきようやく発見。ん〜ん・・・感動!! 

 獲物の横で見張っている。食べた後なのか口の周りが赤い。遠くをみたらほぼ同じ距離を取って、BBCのカメラマンが撮影していました。なので、この距離以上近づいて逃げられたら責任になってしまうのでこれ以上は近づけませんでした。

 夜はホームステイでした。村の代表に申し込むと宿を指定してくれるシステムでした。貴重な現金収入ということで登録制で公平に割り振っているんでしょうね。おかげで、この地方の普通の民家での暮らしを垣間見ることができました。

ユキヒョウの写真

ユキヒョウ
ユキヒョウ以外の写真

brown Accentor :ウスヤマヒバリ




最後に

翌日早朝に再びユキヒョウを撮影しに行ったが、獲物が残っていなかったためか、ユキヒョウは我々を嫌って?高い場所に行ってしまいました。

レーへ戻る途中には美しい寺院もありました。今、チベットよりもチベットらしい場所といわれるラダック地方。季節の良いシーズンは素晴らしい風景が広がっているんでしょうね。でも、この地は国境地帯なのです。地元住民以外は携帯の電波は入りません。なので、HotelWifiしか使えない地でもあるのです。

多分もう来ることはないであろうラダック。素晴らしかった・・・・